2010年05月28日

iPad日本発売記念日に寄せて

今日は記念すべきiPadの日本発売の日です。

朝からテレビでも大きく取り上げられ、Yahoo!などのポータルサイトでも特集が組まれるなど、まさに日本中が大騒ぎ。
僕のtwitterのタイムラインも、ず〜っとiPadの話題でもちきりです。

どのニュース番組だったか憶えていないのですが、巣鴨の道行くおばちゃまたちにiPadを触ってもらって、その感想を聞くという企画が非常に興味深かったです。
スタッフがちょちょっと操作方法を教えただけで、おばちゃまたちもすぐに操作方法を覚えて、キャッキャキャッキャしていたところをみると、iPadのインターフェースと操作方法がいかに万人に優しく作られているかが分かります。



さて、iPadでできることと言えば、Web閲覧にメール、音楽・動画再生、その他無限のアプリと、数え上げればキリがないワケですが、どのニュースでも「電子書籍」を切り口の主題にしているところに驚きました。
それほど、電子書籍に対する人々の期待は高い、ということなのでしょう。

iPad発売を目前にして、昨日はKDDI、朝日新聞社、ソニー、凸版印刷の4社が、大手出版社の参画も視野に入れつつ、電子出版連合を立ち上げました。
もうこうなることは数年前から分かっていたのに、日本の出版業界の腰の重さと言ったら…。



iPad日本発売記念日に寄せて
iPad日本発売記念日に寄せてさてさて、僕たち龍球インクは、iPhone 3Gを手に入れた2008年の7月のあの日から「これからは電子書籍の時代だ!」と確信して、大藤幹さんのご協力のもと、2009年9月には『大藤幹のHTML/XHTMLタグ辞典』を、今年2月には『大藤幹のHTML/XHTML/CSS辞典』を発売して参りました。

その間にも様々なアイディアが生まれ、あれもやってみたい、これもやってみたいと夢は膨らむばかり。
しかし、社員数3人の一介のベンチャー企業にとって、日銭を稼ぎながら自社プロジェクトを開発し続けることは、体力的に限界に達しつつありました。

そこで昨年12月には、財団法人沖縄県産業振興公社が実施する「OKINAWA型産業応援ファンド事業」という支援プログラムに応募しました。
詳細は上記リンク先か、このブログのリーフレット画像をご覧ください。



前年度の採択企業の顔ぶれ、事業プランを見る限り、電子書籍に関する事業プランを持ち込めば、話題性・成長性・将来性・タイムリーさ、すべての面において勝ることができると確信していました。
また、iPhoneアプリに関する実績は、沖縄県内唯一であると自負していますので、「ウチがやらねば誰がやる」という気持ちもありました。

申請書類の中で提案した内容はこんな形です。

1.社会的背景や目的

沖縄県内では、20社を越す地元出版社が存在し、年間300~400タイトルの出版物がリリースされている。
『御願ハンドブック』をはじめとして、ヒット作は5万部強を超えるものもある。これらの書籍は売上のほぼ9割は県内の書店での売上であり、県外にはAmazonなども含めてなかなか流通出来ていないのが実情である。
出版不況が叫ばれて久しい今日、県産本のファンや、そもそも県産本の存在を知らない層にその存在と価値を知らしめ、より手軽に入手出来る環境を構築することが求められているが、流通経路やコストの問題でなかなか実現が厳しい。

そこで、現時点で世界中で5000万台の市場規模を持ち、日々そのシェアを拡大し続けるiPhoneと、専用アプリを販売するためのオンラインストアであるAppStoreを利用し、電子書籍(iPhoneアプリ)化した県産本を販売し、国内はもとより全世界へ向けコンテンツを販売・配信する事業を行う。

『沖縄大百科事典』など、1980年代に出版され既に絶版となった書籍をデジタル環境で利用したいというニーズも高いことから、貴重な沖縄文化・知識継承の観点から鑑みても、非常に意義のある事業であると考える。

2.ビジネスプラン概要

新刊/既刊/絶版の書籍コンテンツをiPhoneアプリ化し、全世界に向けてAppStoreを通じて販売を行う。
出版社の費用的負担は無しでプログラムの開発費用やコンテンツの制作費用は弊社の負担とし、ロイヤリティの配分でお互いに収益を得るビジネスモデル。
同業他社のビジネスモデルの場合は、通常出版社側も初期費用や開発費用の負担が必要となるが、当事業は出版社側がノーリスクで展開できること点で非常に画期的である。
将来的な展開としては英語等の多言語に翻訳したバージョンの配信も予定している。
また、出版社や印刷会社と提携し、自費出版の新しい形としての展開も模索していく。

3.活用する地域資源及び当該地域資源の優位性、強み

取り組みの第一弾として、ヒット作を次々と世に送り出している元気な出版社と絶版書籍のコンテンツ提供で提携予定。
出版点数は、2010年度中に100点を目標に設定している。
当事業の強みはコンテンツを新規開発するのではなく、既に膨大にストックされているコンテンツを有効活用できる点である。
また、沖縄の独自文化や歴史に関する書籍はなかなか県外では入手しづらい事への補完策としても非常に有効である。
沖縄という地理的なハンディキャップを埋め、紙や物流資源を浪費することなく、オンラインで配信できる点も、これまでのCD/DVDなどのコンテンツ利用形ビジネスに比べてもメリットや優位性が高い。


その際に添付した資料が下記になります。
県産本をiPhoneアプリに!添付企画書

申請書類の詳細はいわゆるお役所向けの内容ですので、ここでは詳細は割愛させていただきます。
しかしその中身は、自分たちの独りよがりで書いたものではなく、公社と専属契約を結ばれているアドバイザー(民間企業)の方に何度も添削してもらい「これならば」というお墨付きをいただいたものであったことを付け加えておきます。



事前相談、プレ審査を順調に経て、最終選考までは残ったそうです。
が、結果は採択されず。
最終的に採択されたプランが先日発表されていました。
平成22年度OKINAWA型産業応援ファンド事業 採択企業決定!

僕たちは「地域資源活用支援事業」部門にエントリーしましたから、「新商品開発等支援事業」とは競合しません。
昨年は4件採択していたことを考えると、どうしてそこに僕たちのプランを採択してくれなかったのか、甚だ疑問で納得が行きません。
これがもし、僕たちの企業体質、財政状況、申請書の書き方が問題で落選していたのなら仕方ありません。
しかし、落選の理由を問うても教えてくれないのですから、この場を借りて言いたいことを言うくらいの権利はあるでしょう。

みなさん、この件についてどうお考えになられますでしょうか?



沖縄に溢れている「県産本」という知の宝を全国の人に知らしめたい。
この熱い思いは今後も変わりません。
しかし正直なところを申し上げますと、先立つものがなく動くに動けない状況なのです。

こんな僕たちの熱い思いを理解してくださり、「一緒にプロジェクトを進めていこう」「資金的な援助をしてやろう」「援助はできないが、とっておきのアイディアを教えてやろう」という方々がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。

よろしくお願いいたします!


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Posted by maxi at 14:54│Comments(2)開発日誌
この記事へのコメント
資金もアイデアも無いけど、キモチは応援してます!!
Posted by つよし at 2010年05月28日 15:34
ありがとうございます!
届きました!!
Posted by maxi at 2010年05月28日 15:38
 
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