長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」

maxi

2007年03月28日 10:55

ドキュメンタリー映画「ひめゆり」を那覇の桜坂劇場にて観賞しました。

長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」
オフィシャルサイト


沖縄県民であれば、学校でテレビで、必ずと言っていいほど見聞きして来た「ひめゆり学徒隊」の悲劇。
あるいは「ひめゆりの塔」で、生き残りの方々の証言を聞いたかも知れません。

そんな悲劇のストーリーが、13年もの歳月を掛けて映画化されました。

どうして13年もの年月が掛かったのか?
それは、その体験があまりにも凄絶であったため、生き残られた元学徒たちが「忘れたい過去」を語るのに時間を要したからだそうです。

僕も何度かひめゆりの塔には訪れているはずですが、あまりに衝撃が大きすぎて、正直「近づきたくない」場所です。
ガイドをつとめる元学徒のみなさんが、毎度毎度過去を語るたびに涙に崩れ落ちる...。
そんな姿を見たのは、その場でだったのか、テレビを通してだったのかすら記憶が曖昧です。
体験していない僕ですら、ひめゆりの悲劇は「忘れたいこと」なのです。

今回もこの映画を観賞するにあたり、正直な気持ちとしては「観たくない」という気持ちの方が大きかったです。
しかし、なぜ観に行ったのか?
それは「観なければならない」からに他なりません。
しっかりと観て後世にこの悲劇を語り継ぐこと。
そして、沖縄戦を、ひめゆりの悲劇を知らない人々に知ってもらうことが沖縄を愛する者としての責務だと思ったからです。

こうして勇気を持って悲劇を語ってくれた元学徒のみなさん、そして「映画」という人々の心に届きやすい形として残してくださった監督ほかスタッフのみなさんに感謝。

まだこの映画を観ていない方、ぜひ観てください。
そして思ったこと、感じたことを誰かに話してください。

沖縄は桜坂劇場の他、東京でも上映が決定しているようです。
「ひめゆり」上映スケジュール
—オフィシャルサイト


予告編もありました。

長編ドキュメンタリー映画「ひめゆり」予告編
—オフィシャルサイト


最後に—。
公式パンフにも記載されているCoccoのステキな言葉を引用させていただきます。

映画の完成を待たずに3人の証言者が亡くなっている。
ひとつひとつ私たちは失くしていく。全てを失くす前に叶えたい。
おばぁたち、待っててね、なんにも分かっちゃいない私はせめておばぁたちが好きだった歌をうたおう。
鮮やかに見えるようだ。壕の中の笑い声。あなたが笑ってくれる歌を届けるからね。

“忘れたいこと”を話してくれてありがとう。
“忘れちゃいけないこと”を話してくれてありがとう。

Cocco(毎日新聞『想い事。』より)

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