2006年11月21日

回線速度は「東高西低」

回線速度は「東高西低」ブロードバンド情報サイト「RBB TODAY」にこんな興味深い記事が掲載されていました。

【スピード速報】ダウンロードは関東圏と愛知が速く、大きすぎる「東高西低」の格差


おかしいですねえ。
沖縄県は平成10年に「マルチメディアアイランド構想」を宣言してから「IT立県」を目指し、他県よりも積極的に取り組んで来たほか、国からの莫大な補助金も受けて来たはずです。

それが、この結果でしょうか。

もちろん、僕がここでこうして仕事をしていられるのも、こうした活動のおかげであることは間違いないですし、県や各市町村の職員さんの努力も存じ上げております。
その点に関しては、本当に感謝しています。

しかし、しかし...なんです。

行政はとかく「ハコもの」を作りたがります。
沖縄にはたくさんの「ハコ(=施設)」があり、その中に収められている機材にも莫大な費用が掛かっていることもよく知っています。
そして、それらが活用されずにホコリをかぶっていることも。

まあ、それも致し方ないと百歩譲るとしましょう。

「ハコもの」が得意のはずなのに、インフラ面で全国最下位というのはいかがなものでしょう?
結果だけ見れば、今まで何をやってきたんだ?と言われても仕方がない状態だとは思いませんか?

もちろん、回線速度だけで全てが決まるわけではありませんが、僕たちが入居しているIT企業のためのインキュベーション施設「沖縄市モバイルワークプラザ」に関して言っても、入居の際に回線が完備されているかと思いきや、自分で業者を探して回線を引き入れなければなりませんでした。

また、入居当時にベンチャー企業として現実的な値段で選択できた業者はたったの2社。
本当にこれがITベンチャーを育てる施設なのだろうか?と空いた口がふさがりませんでした。

また、部屋はOAフロアになっているのですが、これがまたおかしな仕様。
通常OAフロアというのは、電源やネット回線を引き回しやすいように上げ底になっていて、床のあちこちに電源や回線の出口があるもの。
ところがここには住居と同じく壁にしか電源がありません。
せっかくの広い空間があるのに、真ん中はぽっかり空いたまま。

少し話がそれてしまいましたが...。

「IT立県」を目指すのであれば、まずインフラを整備せねばならないことは誰の目にも明らか。
もちろん、県で誘致した大手コールセンターなどの企業には援助金を出して太い専用回線を引いているようですが、民間は構想が打ち出されてから8年も経っているのにこの現状です。
使う人がいない「IT」ほどムダなものはないでしょう。
民間からITへの関心を高め、底上げをしてこそ、真の意味での「IT立県」が成り立つのではないでしょうか?

ひどいひどいとは思っていましたが、このニュースを見て愕然としました。

もちろん、行政におんぶにだっこでは本当の産業なんて育つはずがありません。
僕らは僕らで、ITを本当の産業に育てる気概は大いに持っています。
そんな仲間も大勢います。
そこへ行政が少しでも有効な手だてをもって援助してくれれば、これに越したことはないのですが...。

普段、沖縄県にも沖縄市にもいろいろとお世話になっている身分ですので、今日こうしてブログにエントリーするべきかどうか非常に迷ったのですが、沖縄県の将来を思ってこそ、あえて苦言を呈することにしました。

小さな声ではありますが、どこかの誰かに届くことを願ってやみません。


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Posted by maxi at 16:39│Comments(3)開発日誌
この記事へのコメント
遅いなぁと思っていたけど……正直ここまでとは…全国ブービー?
Posted by ZoE at 2006年11月21日 18:54
いや~、ここまででしたよ。
しかし、全体でこんなに差が出るもんなんですね。
この結果みると、米軍の回線とかまったく関係ないのがわかりますね。
Posted by maxi at 2006年11月21日 19:01
だよねえ・・・
特に光がひどく遅い。
Posted by つよし at 2006年11月21日 19:55
 
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